ゆいちゃんのプロフィール
樋口 ゆいの(ひぐち ゆいの)
- 生年月日
- 令和元年7月18日
- 出生地
- 東京都豊島区
- 血液型
- A型
- 好きなこと
- だっこ、沐浴
- 好きなもの
- えほん、鈴の音
うさぎのぬいぐるみ
- チャームポイント
- ぷにぷにほっぺ、笑顔
ゆいちゃんの経過
- 令和元年7月18日
- 東京都豊島区で誕生。3390gで元気に産声をあげる。
- 8月26日
- 1か月検診。4676gまで順調に成長。
- 9月11日
- 急に母乳を嫌がるようになり、夕方ごろ呼吸の様子がおかしくなる。
東京女子医科大学病院に救急搬送され、直ちに人工心肺装置につながれる。 - 9月13日
- 検査結果より、拡張型心筋症・心筋緻密化障害の疑いと告げられる。
- 9月22日
- 人工心肺装置を離脱する。
- 10月5日
- 容態が急変。 緊急手術にて小児用補助人工心臓を装着。
- 11月8日
- 日本臓器移植ネットワークにて心臓移植希望登録完了。
- 現在
- ゆいちゃんは小児用補助人工心臓の助けを借りて生きています。
大きな機械がついているため、ベッドの上から離れることも難しい状態です。
病院から出るためには心臓移植手術を受けなければなりません。
両親からの挨拶
まずはじめに、私たちの娘ゆいのを救うためにたくさんの方にご尽力いただいておりますことに厚く御礼申し上げます。また多大なる労力と時間を要するにもかかわらず「ゆいちゃんを救う会」を立ち上げ、娘のために活動してくださる皆様に心より感謝致します。
私たちの娘ゆいのは令和元年7月に生まれました。元気に泣き、動き、母乳を飲んでいた娘と平凡で幸せな日常を過ごしていた私たちは、その幸福がこれからも途切れることなく続いていくのだと思っていました。しかし娘が生後2ヶ月になろうかというある日、当たり前だと思っていた日常は突然途切れました。
重症の心不全を起こした娘は救急搬送され、搬送先の大学病院にて緊急で人工心肺装置を取り付けなければ生きられない状態になってしまったのです。
手厚い治療と看護の甲斐あって、ゆいのはなんとか命をつなぎとめることができましたが、それから間もなく私たち夫婦は厳しい現実を突きつけられることになります。娘の心不全の原因は難病である拡張型心筋症の1つ、心筋緻密化障害によるものだと告げられたのです。それはつまり、娘がこの先自分の心臓で生き続けることは難しく、生きるには心臓移植を受ける他ないということを意味していました。
集中治療室でたくさんのチューブにつながれ、薬で眠らされた娘は入院前とは全く違う姿でした。
これが現実に起こっていることだと理解するには長い時間を要しました。夜、病院から帰ると元気に過ごしていたはずの娘が家にいないという現実を思い知らされ、朝になると夜泣きで起こされることなく迎える一日の始まりがこんなにつらいものかと泣いて過ごす毎日でした。治療の間に奇跡が起き心臓の動きが戻ればいいのに、と何度思ったかわかりません。しかし娘の心臓は治療中にも機能を取り戻すことはありませんでした。やはり心臓移植しかない、その事実がいよいよ現実味を帯びて私たち夫婦に迫ってきたのです。
まだ何もわかっていない幼い娘に心臓移植という大変な治療を受けさせることが本当に正しい道なのか、大きな葛藤がありました。しかし、薬で眠らされながらも時に目を開き、点滴に繋がれた小さな手を動かして、懸命に生きようとする娘の姿を見て、私たち夫婦は移植を目指すことを決意しました。私たちの元に生まれてきてくれたこの子にこれからも生きていてほしい、成長する娘を見守っていきたい、ただその一心でした。
移植待機のためには補助人工心臓をつける必要がありました。小児用の補助人工心臓は日本全体での数が限られており、娘が入院した時点では入院中の病院を含め近隣の病院に空きはありませんでした。そのため大きなリスクを背負いながら遠方の病院に転院しなければいけない状況でしたが、娘が治療を頑張っている間に奇跡的にも入院中の病院内で補助人工心臓に空きが出て、転院せずに移植待機ができるようになりました。この幸運も、まるで娘が生きるためのチャンスをもらったかのように思えて、娘の命を諦めたくないという思いを一層強くさせました。
現在、娘は補助人工心臓を装着して2ヶ月半ほどになります。一時は薬で眠っていただけの娘もすっかり目を覚ますことができました。ミルクをたくさん飲んだり手足を元気に動かしたりできるようにもなっています。一方で補助人工心臓のついている娘は感染症、脳梗塞、脳出血といった命に関わる合併症の危険性に常にさらされ続けています。娘の命を守るためには一刻も早く心臓移植手術を受ける必要があります。
2010年の改正臓器移植法の施行に伴い、日本国内でも小児の移植医療が行えるようになりました。しかし娘のような0歳の子どもが日本国内で移植を受けることは、何年もの待機時間を要することが多く、現在でも非常に難しい状況です。そのため私たち夫婦は日本国内で移植を受けるのを待っているだけでは娘の命を助けることが難しいと判断し、アメリカの病院で娘に心臓移植手術を受けさせるために動き出すことにしました。
アメリカで医療を受ける際には日本の公的医療保険は使えず、莫大な医療費が必要となります。また、補助人工心臓を装着している娘は専用チャーター機で渡米する必要があり、渡航費も高額になります。個人ではとてもそれをまかなうことはできず、私たち夫婦は皆様のご厚意にすがる他ありません。そうした理由から私たち夫婦はそれぞれの友人を頼り「ゆいちゃんを救う会」を立ち上げ、募金活動を行っていただく運びとなりました。
救急搬送された日からずっと入院している娘は、これまでの短い人生の半分以上を病院で過ごしており、補助人工心臓がついているためベッドの上から離れることもほとんどできず、外に出ることはとても難しい状態です。生後1ヶ月で病気を発症した娘は外の世界に出たことも数えるほどしかありません。私たち夫婦は小さな娘に大きな外の世界を見せてあげたい、そう願っています。誠に身勝手なお願いであることは承知の上ですが、どうか娘に生きるチャンスをいただけないでしょうか。皆様のあたたかいご支援、ご協力をなにとぞお願い申し上げます。
2019年12月23日
樋口智仁、さなえ